法務大臣が、2月9日に、法制審議会に、会社法改正を諮問しました。
主な検討項目は、以下の通りです。
- 株主提案権の乱用防止
- 株主の承諾なしに、総会資料をネット提供(以下のリンく先もご参照下さい)
- 社外取締役の設置義務付け
- 役員報酬の規定見直し(業績連動型の場合の透明性確保)
- 社債の管理規定見直し
これらは、2年ほどかけて議論し、2019年以降に国会へ法案提出することを目指しています。
法務大臣が、2月9日に、法制審議会に、会社法改正を諮問しました。
主な検討項目は、以下の通りです。
これらは、2年ほどかけて議論し、2019年以降に国会へ法案提出することを目指しています。
現在、株主総会の招集通知の電子化は、個別の株主の承諾が必要なため、上場企業でも進んでいません。わずか3%だそうです。
多くの企業が利用している、計算書類等のWEB開示制度とは異なっています。
こちらは、招集通知自体は郵送されていて、一部情報の詳細がWEB化されているだけです。
海外投資家などから、議案を検討する時間を確保したいという理由から、招集通知の電子化への要望もありました。
今回、ネックとなっている個別の株主の承諾をなくし、同意なく電子化できるように、法制審議会へ会社法改正を諮問するようです。
商法が120年ぶりに見直されます。
120年前は、飛行機による運送(航空運送)が存在しなかったため、商法に規定がありませんでした。
今回、航空運送による損害賠償責任などを、規定します。
現在は、荷物が損傷した場合の運送人の責任は、陸上・海上運送では、商法の規定により、1年で消滅しますが、
航空運送では、商法に直接の規定がないため、商事債権の時効の5年を適用しています。
その他、現在の実務に合わせ、いくつか手直しされます。
【法務省】役員の変更の登記を忘れていませんか?(会社法施行後10年を迎えます。)
2006年(平成18年)5月1日に、現行の会社法が施行となり、10年が経ちました。
会社法では、非公開会社(株式の全部に譲渡制限が付されている会社)については、
役員の任期を最長10年まで伸ばすことができるようになりました。
会社法施行直後に、役員の任期を10年に伸ばした会社は、今年役員の任期が到来し、
株主総会により選任等が必要となり、それに基づき、役員変更登記が必要となります。
該当する会社は、お忘れのないよう、ご注意下さい。
【日経】株主総会招集、添付書類開示はネットのみでOK 法務省方針
3月決算会社の、総務、経理担当者は、株主総会招集通知の作成などに、ちょうど取り掛かっている頃かと思います。
先日、「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会」において、株主総会招集通知関連の書類を紙ではなく、インターネット上で開示することにより、伝えたい情報を十分伝えることが可能になる、との提言がありました。
詳細はこちら ↓
【経済産業省】「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会」開催【2016年3月18日付ブログ】
法務省の方針として、株主総会の招集通知に添付する書類について、原則インターネット上での開示だけでよくする方針、ということです。
これにより、研究会の提言のように、開示が充実すると、よいですね。
【経済産業省】「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会」報告書を取りまとめました
経済産業省では、昨年11月から6回にわたり「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会」が開催され、報告書が公表されました。
この研究会では、企業による情報開示の充実、及び株主の議案検討時間の確保を目的として、様々な提言がされています。
その1つとして、株主総会招集通知の原則電子化が挙げられています。
電子化することで、企業側はコスト削減ができ、紙面による情報量の制約からも解放されます。
また、早期の開示により、株主の議案検討時間が長く確保できることになります。
その他、株主総会の開催時期に関する提言・問題点の整理もされています。
この報告書は、国内外の状況を調査した上で、まとめられていて、提言は、企業側、株主側双方にとってメリットのある内容です。
実現に向け、法整備等、早めに進めてほしいですね。
【監査役協会】「改正会社法等と監査役スタッフ業務」 本部監査役スタッフ研究会(スタッフ研究会(本部/関西支部))
日本監査役協会から、「改正会社法等と監査役スタッフ業務」 が公表されました。
5月1日施行の改正会社法の主な改正点は、以下の通りです。
1.多重代表訴訟制度の新設
親会社株主による子会社役員の責任追及が可能になります
2.監査等委員会設置会社制度の新設
「監査等委員会」は、3人以上で構成され、社外取締役が過半数を占める必要があります
3.社外取締役の要件厳格化
取締役等の二親等内の親族、親会社の取締役等は、要件を満たさない
4.会計監査人の選任、解任、不再任の株主総会に提出する議案決定権限が、監査役会に移行
今回公表されたのは、上記4に関連したものです。
以下の資料も掲載されています。
留意点も記載されていて、分かりやすく、具体的で、実務でそのまま使えると思います。
会計監査人設置会社の監査役の皆様は、是非ご一読下さい。
【トヨタ自動車】第1回AA型種類株式の発行および第1回AA型種類株式発行に応じた自己株式取得 に関するお知らせ
トヨタ自動車において、6月16日開催の株主総会にて、ある種類株式の発行に関する定款変更決議が、可決成立しました。
ある種類株式の特徴は、以下の通りです。
株式投資には、価格下落リスクが伴うのは当然でしたので、
今回の種類株式は、これまでの常識を変えるものですね。
社債のようなイメージを受ける人もいるかもしれません。
ところで、種類株式とは、普通株式とは異なる、ある権利を優先、あるいは制限するなどの株式です。
例えば、配当優先株式や、無議決権株式などが、代表的です。
定款に記載することにより、発行することが出来ます。
定款の変更には、株主総会の特別決議が必要です。
特別決議は、議決権を持つ株主の過半数を定足数とし、出席株主の3分の2以上の賛成によって可決されます。
今回の種類株式の発行目的は、
「水素社会などこれから進む前例の無い道に向かって、トヨタと株主が一緒にやりましょうよ。」
ということのようです。
資金調達方法が多様化する中で、リスクを抑えたい人たちを呼び込む手法として、注目ですね。
【日本監査役協会】「改正会社法及び改正法務省令に対する監査役等の実務対応」等を公表
日本監査役協会から、「改正会社法及び改正法務省令に対する監査役等の実務対応」等が公表されました。
具体的には、以下の3種類です。
「会計監査人の選解任等に関する議案の内容の決定権行使に関する監査役の対応指針」
「コーポレートガバナンス・コードに対する当協会の考え方及び今後の方針について」
5月1日施行となる改正会社法は、様々な改正があり、どの企業も影響があります。
従って、特に「改正会社法及び改正法務省令に対する監査役等の実務対応」に関しては、
監査役の方はもちろんですが、取締役や法務、総務担当の方々も、一読されるとよろしいでしょう。
以下の内容が書かれています。
第1 社外取締役及び社外監査役に関する規律について
第2 監査等委員会設置会社について
第3 会計監査人の選解任等に関する議案の内容の決定及び会計監査人の報酬の同意に ついて
第4 監査役等の監査の実効性の確保について
第5 企業集団における内部統制システムについて
第6 支配株主の異動を伴う第三者割当てについて
第7 親会社等との利益相反取引の情報開示の充実について
第8 多重代表訴訟について
第9 監査役に関する登記について
別添1 会計監査人の選解任等に関する議案の内容の決定権行使に関する監査役の対応 指針
別添2 株主代表訴訟への対応指針‐監査役実務の視点から‐(抜粋)
【JICPA】社外役員に公認会計士の登用をご検討中の企業の担当者の皆様へ~社外役員候補としての公認会計士紹介制度のご案内~
日本公認会計士協会では、社外役員候補としての公認会計士紹介制度を設けました。
政府は、女性役員の登用促進を目的に「はばたく女性人材バンク(仮称)」を創設しますが、この要請にこたえるものです。
弁護士会でも同様の制度を設けています。
ただし、弁護士会の場合は女性のみの名簿のようですが、
日本公認会計士協会は、男女問わず社外役員候補者の名簿を用意しています。
会社法の改正により、上場会社等で、社外役員を選任していない場合、その理由を開示することになります。
詳細はこちら ↓
改正会社法の施行日は5月1日【2015年1月21日付ブログ】
東証でも、独立役員を1名以上置くことを要請しています。
詳細はこちら ↓
6月からは、上場規則により、2名以上選任することを促し、2名以上選任しない場合は罰則付きの説明義務を課すようです。
詳細はこちら↓
また、近年のガバナンスに対する意識の向上から、社外役員を複数登用する会社が増加しています。
非上場の銀行については、金融庁が、独立性の高い社外取締役の採用を促す方針を固めた、という話もあります。
【時事通信】非上場銀にも独立社外取締役=公共性重視、採用促す-金融庁
社外役員をお探しの企業の方、あるいは会計等に関する専門的知識を持った社外役員の登用をお考えの企業の方は、
紹介を受けてみては如何でしょうか。