日本IBMグループが、国を相手に1197億円の課税処分取り消しを求めた訴訟の判決が、5月9日に出ました。
この訴訟の発端となったのは、
日本IBMグループが、持株会社を使って自社株式売買により生じた損失を、連結納税採用で、他の利益と相殺したことにつき、
東京国税局が、「持株会社には実体がなく、租税逃れにあたる」として、課税処分したことです。
判決では、「法人税法を乱用して、税の負担を不当に減少させたとはいえない」とし、課税処分を取り消しました。
さて、「節税」、「租税回避」、「脱税」と、似たような用語がありますが、違いは何でしょうか?
「脱税」は、違法です。
一方、「節税」と「租税回避」は、合法です。
「節税」は、合法であり、かつ税法が予定している形で、税負担を軽減する行為です。
「租税回避」は、合法ですが、税法が予定していない取引を選択することで、税負担を軽減する行為です。
変化の激しい現代、立法時には想定していないことが、多々起きていると思います。
「節税」と「租税回避」は紙一重であり、新しい取引を始める際の税務上の判断は、今後、ますます難しくなっていくと思われます。